まずは、霊界物語の霊主体従に出てくる伊弉冊(イザナミ)命について考えて見たいと思います。
伊弉冊命について、容姿を描写されたところがあります。
第9巻第5章
向ふの大船には、気高き女神舷頭に立ちあらはれ、涼しき瞳滴るが如く、楚々たる容貌、窈窕(ようちょう)たる姿、いづこともなく威厳に満ち東天を拝して何事か祈るものの如くなり。(伊弉冊命)
傍に眉秀で鼻筋通り、色飽くまで白く、筋骨たくましく、眼光炯々として人を射る大神人立ちゐたり。(日の出神)
すごくいい女のようですね。
さて、霊主体従に出てくる伊弉冊命はその実態がつかみにくくなっています。
古事記の解釈で出てきますし、邪神がなりすましている場面もあります。
古事記の解釈で出てきますし、邪神がなりすましている場面もあります。
第10巻に大洪水後の大要が書かれています。
第10巻第15章言霊別
一旦天地の大変動により新に建てられたる地上の世界は、又もや邪神の荒ぶる世となり、諸善神は天に帰り、或は地中に潜み、幽界に入りたまひて、陰の守護を遊ばさるる事となりしため、再び常世彦、常世姫の系統は、ウラル彦、ウラル姫と出現し、ウラル山を中心として割拠し、自ら盤古神王と偽称し、大国彦、大国姫の一派は邪神のためにその精魂を誑惑され、ロッキー山に立て籠り、自ら常世神王と称し、遂には伊弉冊命、日の出神と僣称し、天下の神政を私せむとする野望を懐くに至れり。
ここに伊弉冊命は、この惨状を見るに忍びず、自ら邪神の根源地たる黄泉の国に出でまして邪神を帰順せしめ、万一帰順せしむるを得ざるまでも、地上の世界に荒び疎び来らざるやう、牽制運動のために、黄泉国に出でまし、次で海中の竜宮城に現はれ、種々の神策を施し給ひしが、一切の幽政を国治立命、稚桜姫命に委任し、海中の竜宮を乙米姫命に委任し、自らロッキー山に至らむと言挙し給ひて、窃に天教山に帰らせ給ひ、又もや地教山に身を忍びて、修理固成の神業に就かせ給ひつつありたるなり。
天地の神人は、此周到なる御経綸を知らず、伊弉冊命は黄泉の国に下り給ひしものと固く信じ居たるに、伊弉冊命のロッキー山に現はれ給ふとの神勅を聞くや、得たり賢しとして元の大自在天にして後の常世神王となりし大国彦は、大国姫その他の部下と謀り、黄泉島を占領して、地上の権利を掌握せむとしたれば、大神は遂に前代未聞の黄泉比良坂の神戦鬼闘を開始さるるに致りたるなり。
「自らロッキー山に至らむと言挙し給ひて、窃に天教山に帰らせ給ひ」。自分でロッキー山に行くと言って、天教山に帰っています。
ロッキー山では大国姫(邪神)がイザナミを詐称しているのに、これって何なんだろう?変な行動です。
ここで出て来る、黄泉(よもつ)国、海中の竜宮城(島だと明示されている)、ロッキー山、天教山、また、別の所で出て来る黄泉(よもつ)島の位置関係が難しいことになります。
第8巻では、黄泉国=海の竜宮でしょう。
第8巻第24章「盲目審神」
伊弉冊命の火の神を生みまして、黄泉国に至りましたるその御神慮は、黄泉国より葦原の瑞穂の国に向つて、荒び疎び来る曲津神達を黄泉国に封じて、地上に現はれ来らざるやう牽制的の御神策に出でさせられたるなり。それより黄泉神は海の竜宮に居所を変じ、再び葦原の瑞穂の国を攪乱せむとする形勢見えしより、又もや海の竜宮に伊弉冊大神は到らせたまひ、茲に牽制的経綸を行はせ給ひつつありける。乙米姫命を身代りとなして黄泉神を竜宮に封じ置き、自らは日の出神に迎へられて、ロッキー山に立籠るべく言挙げしたまひ、窃に日の出神、面那芸司とともに伊弉諾の大神の在ます天教山に帰りたまひぬ。
第9巻では次のように書かれています。
三笠丸が出発した港は、アフリカのヨルの港。
智利(テル=チリ)の国へ向かって出航。
智利(テル=チリ)の国へ向かって出航。
第3章「三笠丸」
「三笠丸は青葉滴る岸を離れて西へ西へと波の琴を弾じながら、海面静かに滑つて行く。」
第4章
「この時前方より、白帆をあげた大船小船、幾十隻となく此方に向つて、艫の音勇ましく風を孕み進み来るあり。」
第5章
数十艘の大船小船は真帆に風を孕んで、堂々と陣容を整へ進み来る。三笠丸は風に逆らひながら、櫂の音高く進み行く。向ふの大船には、気高き女神舷頭に立ちあらはれ、涼しき瞳滴るが如く、楚々たる容貌、窈窕たる姿、いづこともなく威厳に満ち東天を拝して何事か祈るものの如くなり。傍に眉秀で鼻筋通り、色飽くまで白く、筋骨たくましく、眼光炯々として人を射る大神人立ちゐたり。
(日の出神の歌の一部)
醜のあつまる黄泉島 黄泉軍を言向けて
世は太平の波の上 皇大神に従ひて
醜のあつまる黄泉島 黄泉軍を言向けて
世は太平の波の上 皇大神に従ひて
「然るに思ひもかけぬ此の海原で、伊邪那美の神様にお目にかかるといふは、何とした有難い事でございませうか。あゝ実に、貴女様はお父上を探ねてお出で遊ばす船の上で、あの世へ一旦行つた神様が、再び此の世へ船に乗つて現はれ、何処かは知らぬが東を指してお出ましになつた事を思へば、お父上に御面会遊ばすのは決して絶望ではありませぬ。
第5章で伊弉冊命と日の出神が出て来るのですが、これは、海中の竜宮城を出て天教山に向かっているところでしょう。
ここの日の出神の歌から考えると、黄泉国=海中の竜宮城=黄泉島だと考えられるでしょう。
第9巻を総合して考えると、次のようになります。
三笠丸はアフリカから西回りで南米チリに向かっている。これは、大西洋を通っているということ。
大西洋上で東に向かう伊弉冊命一行と行き合った。伊弉冊命一行が向かっているのはヨーロッパ・アフリカの方向。
大西洋上で東に向かう伊弉冊命一行と行き合った。伊弉冊命一行が向かっているのはヨーロッパ・アフリカの方向。
黄泉島については、太平洋上にあると明示されているようです。
第9巻総説歌
宇宙の外に身を置いて 五十六億七千万歳
年遡り霊界の 奇しき神代の物語
赤道直下に雪が降り 太平洋の真中に
縦が二千と七百浬 横が三千一百浬
黄泉の島や竜宮城 訳のわからぬことばかり
羽根の生えたる人間や 角の生えたる人が出る
夢か現か誠か嘘か 嘘ぢやあるまい誠ぢやなかろ
ホンにわからぬ物語。
年遡り霊界の 奇しき神代の物語
赤道直下に雪が降り 太平洋の真中に
縦が二千と七百浬 横が三千一百浬
黄泉の島や竜宮城 訳のわからぬことばかり
羽根の生えたる人間や 角の生えたる人が出る
夢か現か誠か嘘か 嘘ぢやあるまい誠ぢやなかろ
ホンにわからぬ物語。
物語の黄泉比良坂の戦いでも、ロッキー山から出陣するのだから、太平洋にあった方が納得が行きます。
さて、日の出神は朝日丸に乗って海中の竜宮城に行っています。これは、第8巻の話です。
朝日丸は日の出神を乗せてアフリカから南米チリに向かっています。
この朝日丸は、東向き(太平洋)、西向き(大西洋)のどちらのコースで行ったかは、物語では示されていません。
この途中で日の出神は海底の竜宮城に行っています。海底とあるが島のことであると明示されています。
この朝日丸は、東向き(太平洋)、西向き(大西洋)のどちらのコースで行ったかは、物語では示されていません。
この途中で日の出神は海底の竜宮城に行っています。海底とあるが島のことであると明示されています。
三笠丸のコースだと大西洋ということになりますが、そうなると黄泉島は大西洋にあることになりますので、朝日丸は太平洋コースを行ったのでしょう。
さておき、三笠と朝日は大日本帝国海軍の戦艦の名前のようです。たぶん。
Wiki
軍艦「三笠(みかさ)」は、敷島型戦艦の四番艦。イギリスのヴィッカース社で建造され、1902年(明治35年)3月に竣工。奈良県にある三笠山(春日山)にちなんで命名された。 船籍港は京都府舞鶴市の舞鶴港。同型艦は「敷島」「初瀬」「朝日」。
1904年(明治37年)からの日露戦争では連合艦隊旗艦を務め、連合艦隊司令長官の東郷平八郎大将らが座乗した。1905年(明治38年)5月末、連合艦隊旗艦として日本海海戦を戦う。同年9月11日、佐世保港で爆沈した後に浮揚・修理され、1908年(明治41年)4月下旬に修理工事を終えた。1912年(大正元年)10月3日、前部火薬庫火災事故を起こす。
大正時代は北方警備に従事した(シベリア出兵)。1921年(大正10年)9月1日、海防艦に類別変更。1923年(大正12年)9月1日、横須賀軍港で関東大震災に遭遇、着底した。ワシントン海軍軍縮条約により除籍され、横須賀で記念艦となった。
物語の三笠丸に戻ると、太平洋にある黄泉島から天教山へ向かうのは西に行けば良いようなのに、東回りで向かっています。
天教山は富士山だと思っていましたが、ウラルの近くにあるのでは、ふとそう思えます。
霊界物語にムー大陸が出て来るのは有名な話なのですが、こうやってグチャグチャと考えてきて、アトランティスの話も出ているのではと感じる私です。
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